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自担がフランス人になりました【舞台 エドモン〜シラノ・ド・ベルジュラックを書いた男〜】

自担である加藤さんが、今年も舞台をやるということで……行ってきました、激戦区の大阪公演!ここ数年、1枚で申し込むと当選率が高い気がした(2枚で申し込んだ友達は皆全滅した)ので、今回も1枚で申し込んでみたら…落選。でも、ありがたいことに同僚のCが当ててくれたので1回は観劇できることに。仕事で毎週は聞けない自担加藤さんのラジオだけど、たまたま聞いた回で「『シラノ・ド・ベルジュラック』の作品を何かしら予習しておいた方が良い」と言っていたので、文庫本を購入。3月中旬には読み切って*1、3月下旬にはCへレンタル。…ということで、今回は予習もバッチリ!

当日、朝からCと合流して大阪へ。なぜか今回は“加藤さんに物理的に、確実に自分から近づいている感じ”が強く、大阪が近づくにつれ緊張している自分がいた。大阪駅で11時オープンの飲食店を探して入ることに。余裕を持って会場へ行くために、11時59分発の電車に乗りたかった私たちは、急いでお店を探した。けれども、なぜかお店の入り口に立っても店員さんに全く気付かれなかったり、席についても店員さんが捕まらなかったり、そして料理が来るのに時間がかかったりで…選ぶお店を間違えたかと後悔するくらい、昼食を食べ始めるまでに時間がかった。料理を待っている間「落ち着け、落ち着け」と自分に言い聞かせていたけど、この焦りとは別で、加藤さんに会うと思うだけでドキドキしてしまっていたので……私の心は忙しなく鼓動を打っていた(笑)

料理が運ばれてくると、Cと言葉を交わすことなく無言で食べ進める。料理が運ばれてきた時点で12時30分で、私たちに残された時間は少なく、料理の感想を言う暇も無かった。定食をものの10分強で完食した私たちはパッと会計を済ませ、駅へ急いだ。エレベーターがすぐに来たのがラッキーで、ホームに着くと1本前の電車が停まっていたので乗ることができた。普段食事ペースが遅い私だけど、何とか早食いをして間に合った電車…早食いによる腹痛も心配だったけど、今回は無かった。かなり余裕を持って会場に到着。最寄の近鉄八戸ノ里(やえのさと)駅からは道をまっすぐ行くだけでわかりやすく、周りにはファミレスもあった。最寄駅に着くと周りには同じ舞台を鑑賞する人だらけだったので、人の流れに沿って歩くだけで良かった。

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天気にも恵まれ、最高の日曜日!初めての会場だったけど、めちゃくちゃ綺麗で観やすく、音も良かった。お手洗いの通路は狭かったけど、一方通行で納得。人の流れが整理されていて、もちろん綺麗だった。ホールの中も凄くて、建物全体が新築の匂いだった。

キャストは、大谷亮平さん、平祐奈さん、細田善彦さん、金田明夫さんは観たことのあるドラマに出演されていたので確実に知っている方々。平祐奈さんのお姉さんは平愛梨さんで、加藤さんとは『金八先生』でクラスメイト役。そんなクラスメイトの妹とキスシーンがある*2だなんて(笑)これはこれ、それはそれ、と割り切れないとこのお仕事はやっていけないと思うので、つくづく凄いと思う…。他のキャストだと、福田転球さんは「どこかで見たような…」と、その特徴的なお名前をどこかで目にした気がしたので調べてみると、加藤さん出演の『剣樹抄』に出演されていた。その他の方々は恐らく初めて見ると思われるが…ストーリー的に場面がコロコロ変わっていって、それぞれが1人で何役かしていたので、誰がどの役を演じているのか…。個人的には、見極めるのがギリギリの人数だったかと思う。

それにしても、めまぐるしく変わっていくセットと膨大な量のセリフ…。キャスト自身がセットを動かし、小物も運ぶ。チームワークと体力必須の演出だったけど、逆に言えば無駄なものが一切なかった。全体的にセリフが早口な気がして、最初こそは聞き取るのが大変かもしれないと心配になったけれど…聞いているうちに、日本語なのに段々フランス語のように聞こえてきて不思議だった…。各場面のリズムを作るように、俳優たちから流れるセリフ。そしてコメディ独特の間。観客から漏れる笑い声も作品の一部な感じがして、この空間好きだな…って思った。

ストーリーは、途中からは予習していた小説『シラノ・ド・ベルジュラック』と似た様なシーンがあり、最後はこの作品を舞台で上映しているシーンなのでもちろん同じで。エドモンが『シラノ・ド・ベルジュラック』の台本を書くことになったきっかけや、ストーリーの紡ぎ方、そして舞台が始まるまでのドタバタ劇も面白かった。エドモン自身は「書けない」と悩んでいたようだけど、ローズというエドモンの1番のファンという最強の妻がいる。そして、強引だったり無茶振りをしたりするけど、エドモンを確実に明るい道へ導いてくれる人たちを寄せ付ける才能もある(笑)周りの人に振り回され追い込まれるけれど、それでこそ良い作品が書けるだろうとエドモンの才能を見込んでのことだったのかなと。鑑賞した後に、クセがあるけれど、なんやかんや愛されて尊重される所…まさに加藤さんじゃないかと、適役過ぎることに気付いてしまい、体がゾワっとした。

他の役だと、レオが良い味を出していた印象。恋をしているジャンヌに、エドモンがレオの代わりに愛を伝えるシーンが最高だった。実際にこのシーンは劇の一部になるのだけど、レオの“見た目はハンサムだけど中身(頭)は…”という人物像がめちゃくちゃ舞台で映える設定(笑)しかもエドモンとのやり取りは笑わずにはいられなかったし、かなり記憶に残っている。

セットは移動させないといけないので、可動式の物ばかり。足元に目張りがあるのだろうけど、あの暗さで的確に動かして止めるのは大変だろうなと思った。そしてあの人数で、しかも少ないセットで場面を観客に想像させる演出に凄いと言わざるを得なかった。同じようにエドモンがテーブルに向かうシーンでも、椅子に座っているか立っているか、同じ空間にいるのは妻のローズか友人のレオか、それで今どんな場面かがわかる…。

ここ数年で少しずつ舞台を観てきて、注目する部分が増えた気がする。だからこそ気になることが多くて、目と脳みそが足りない(笑)複数回観るために、東京まで足を運べば良かったな…と思った今回の舞台。難しく考えずに楽しく観れて、でも見応えはバッチリで。昨日24日に千秋楽を迎えたこの舞台。1公演が終わる毎に「終わった〜!」と達成感が凄そうな作品なだけに“完走お疲れ様でした!”という言葉がより一層身に染みているんじゃないかな…。とにかく最後まで走り切れて良かった。再演があるなら、また観に行きたい舞台!le plus élevé!

*1:結構分厚かったのでビビっていたけれど、途中からは解説のページだった、かつ舞台の台本のように改行が多かったので、思ったよりはあっさり読めた

*2:私はそんなに近くない席だったのでキスしてない様に見えたけど、もしかしてしてた?