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目を閉じたその先へ【舞台 After Life】

KAT-TUN上田担の職場の同僚Sちゃんにお誘いしてもらい、大阪の千穐楽に行かせてもらった。Sちゃんとは、今まで同じ現場には行ったことがあるけど、一緒に入るのは今回が初めて!一般でお席を取ってくれて、場所は真ん中よりやや前の右側。会場の森ノ宮ピロティホールに来るのは2回目で、このお席なら観やすいのはわかっていたけど…細かいところも見てみたかったので双眼鏡を持参(笑)

Sちゃんからの事前情報は、死後の世界のお話ということと、内容が難しくて頭が痛くなるかもしれないということ。どうやら、1回観たくらいでは内容が理解出来ないらしい…大丈夫か…観る前からめちゃくちゃ不安になる私。ただ、結果から言うと、内容は普通に理解できた。難しすぎる表現は特になく、曜日という区切りもあり、時の流れも一方向だったので観やすかった印象。

大阪だけでなく、全国的に暑さが酷くて大変な時期の舞台だった。観劇の前日が夜勤だったので、当日の朝も働いていた。いつもなら、時々涼みながら仕事を片付ける所だけれども…この日は舞台観劇、しかも大阪だし昼公演だし。「汗臭くなっちゃったら周りの人ゴメンね…」なんて思いながら、涼む暇もなくせっせと仕事を終わらせてSちゃんと合流。滝汗をかきながら駅に向かい、電車に乗って大阪、森ノ宮へ。昼食は、先日(加藤さんのお誕生日を早めにお祝いした日)訪れた居酒屋、菜蔵さんにて。

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今回はカツとじ定食を選択。しっかりした味付けで、ご飯がすすむ!仕事終わりの外食最高。お腹を満たした後は、キューズモールに買い物へ。午前中、体からの臭いを犠牲にして退勤を急いだことで時間が生まれ、体からの臭いを消すことに(多分)成功。欲しかったグッズのパンフレットは、事前にSちゃんが買ってくれていたので、ピロティホールの中に入るとそのままお席へ…。

今回はストーリーだけでなくキャスト陣も気になる方ばかりで。まずは相島一之さん。刑事物のドラマに出ている印象が強く、どちらかというと主人公の敵とか嫌味な役が多いような…。果たして今回は、上田さん演じる2番にとって敵か、味方か…。そして、加藤さんと2012年にドラマ『花のズボラ飯』2016年には『時をかける少女』で共演した野波麻帆さん。上田さんとは2017年に『新宿セブン』で共演されていたのを今回初めて知った。大鷹明良さんは、なんと2021年の舞台『モダンボーイズ』に出演されていたとのこと!もし、私が大阪公演だけでなく東京公演も申し込んで当たっていたら*1…数年前にお目にかかれていたかもしれない。

Sちゃんからの情報の通り、ストーリーは人が死んだ後から始まる。(先週?)1週間の内に亡くなった人たちが集められ、上田さん演じる2番達ガイドの元へと送られる。死者たちは1週間の衣食住を与えられ、その間にガイドと面談。自分の人生の中で生前の大切な思い出を選び、ガイドが再現する。1週間後からは、その選んだ思い出の中で永遠に過ごすというもの。老若男女さまざまな人たちがやって来るのだが、まず、死に方にも色々ある。病気や事故で死んだり、殺されたり、自殺したり…。面談する内に、やって来た人たちのこれまでの人生が明らかになる。その中で、これから永遠に過ごす思い出としてどんな思い出を選ぶのか。後悔が残って戒めとして辛い思い出を選ぶのか、はたまた異性との楽しいひと時を選ぶのか…それぞれガイドと面談し、思い出を慎重に選んでいく。

2番が面談した年老いた男性、ヒロカズ・モチヅキは、思い出選びには積極的だが、なかなかひとつに絞れない。焦らずに決めて欲しいところだが、残念ながら期限は決まっている。それでも、誠実な2番はヒロカズと面談をして話をたくさん聞いていく。そしてついには話を聞くだけでなく、ヒロカズの生前の姿のビデオを見始める。その中で2番の知っている人が映っていた…。ヒロカズの配偶者ケイティは、なんと2番が過去に愛した女性だったのだ。そのことを知り、2番はヒロカズに真実を打ち明けて担当から外れたいと言うが、ヒロカズはそれでもそのまま担当してもらいたいと言う。2番はヒロカズと向き合う内に、ガイドになってから今まで、自分の心に蓋をしていたことに気づいたのではないかと思った。ヒロカズと出会い、ケイティを想う心を取り戻し、そしてガイドを辞めて自身が次のステップ、思い出の中で永遠に過ごす段階へ踏み出した2番。長年蓋をされて来た2番の心を解放し、愛する人の力は偉大だということを思い知った…。

セットは奥行きも高さもあって、階段を登ったり降りたりするシーンが個人的に勝手にヒヤヒヤしていた(笑)また、相島さん演じる5番のアナウンスが面白くて、会場でも笑い声が漏れていた。2階?3階?で扉が開け閉めされたり、その扉に人物が影で映し出されたり、面白い演出があった。終盤に、それぞれの思い出の中へと送り出した後に靴が降ってくるシーンがあった。お話が始まった時は舞台上に靴が散りばめられているな…と思っていたけれど、そこで靴は天から降ってきたことと、死者たちを思い出の中へ送り出したことの証明であることが判明。そして、追加された2番の靴も後から降ってきて…。靴が降ってきたことにより、本当に行ってしまったのだと実感させられた。複数の靴が降って来るのではなく、2番の靴だけが虚しく“ボン”と鈍い音を立てて落ち、床に転がる…。この演出が切なくて、ここで泣いてしまった。それまで、1番や3番、4番が2番に行かないでと言うシーンで泣いている人もいたけど、私はなぜか泣くまいと我慢していた。なのにここでついに……。人を失う虚しさ、悲しさの表現が個人的に刺さった。

ところで、グッズのパンフレットの表紙、作品名の『After Life』の文字の下半分が滲んでいるというかぼやけているというか。死後の世界のお話だから、登場人物は全員幽霊だから…ってことなのかな?そして全体的に白を基調としたパンフレットで、やはり死後の世界は真っ白なイメージなのかな?あの有名な映画『ハリーポッター』でも、ハリーが一度死んだ時はダンブルドアと一緒に真っ白な空間にいたし…。舞台の世界にしっかり没入できるパンフレットだったので、また間を開けて読みたい。

千穐楽から少し間が空いてしまったけれど、完走おめでとうございます!若い世代からベテランまで、幅広い役者さんの演技を生で観て気分が常に高揚していた。欲を言うと、あの胸が高鳴る空間にもう何回か入りたかった…。上田さんの舞台は何気に2年連続で観ている。来年も出演され、私も縁があればまた上田さんの演技を観たい。

*1:東京公演は開催されたが、大阪公演はコロナのため公演中止となった