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BS時代劇『剣樹抄〜光圀公と俺〜』#3

前回、光圀公の声で「氷ノ介の狙いは何か。ただの武士とは思えぬ」という予告があった。泰姫がいう「人には秘密の1つや2つある」というのは、氷ノ介の過去のことなのだろうか?父子である吽慶と氷ノ介の対決。悪人になってしまった息子を自分の手で成敗するつもりの吽慶。そんな父親に対して、氷ノ介はどう思うのか。そしてこの親子関係を知った光圀公は、何かアクションを起こすのか…?

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冒頭から、氷ノ介の話題でもちきり。「ただ盗みをするために火をつける輩には思えない」と考える光圀公。「美しい氷ノ介が街にいたらすぐに目立ちそう」という話もあり、今回のお話でも敵からその美しさは認められている。了助に吽慶が話しかけるシーンで、了助(たち)が追っている人物が誰なのか、吽慶はわかった上で聞いていたのだろうか。自分の手で、悪人になった我が息子を成敗したいから、吽慶は状況が知りたいのか…。

氷ノ介率いる悪党のアジトには、数名の悪そうなお顔の手下たち。氷ノ介のお顔は相変わらず美しいけど…回を重ねるたびに悪い雰囲気が滲み出てる気がする!氷ノ介が言う「奪われたものは何もかも奪い返す」とは。前回の二千両だけではないのか…?

高松からやってきた、光圀公の兄頼重。父親と兄弟の3人で話していたが、すぐに拾人衆や氷ノ介の話題になる。そこで「片腕ながら剣の達人」と氷ノ介を称賛。ただ、刀を交えたことに父親は激怒し…。たしかに、火付け犯の首領である氷ノ介を捕まえることは大切なことだけど、世継ぎが直接対決することもない。兄の頼重は光圀を応援してくれて、世継ぎは自分だと父親に言われた日のように変わらずおちゃらけて光圀を笑顔にする。光圀、泰姫、そして頼重の3人のシーンでは、泰姫と頼重が初対面ながらも和やかに話をしている。頼重は泰姫の本質をすぐに見抜き、光圀に「泰姫に頼れ」と言う。決して信頼していないわけではないけど、そういうことに泰姫が関わることはないと思い切っていた光圀は驚きながらも頷く。

“不(うてな)”という木刀を振り、朝顔を切り落とす吽慶。その木刀を了助も振ってみたところ、子供でありながらも最後まで振り切れることに驚く吽慶。使いたい時は声をかけてくれと、不(うてな)の使用許可を出す。吽慶のアドバイスもあり、より一層力強く振れるようになった了助は、鍛錬を積んでいく…。拾人衆の仲間の前で不(うてな)を振る了助。そこに光圀公がやってきて、了助が手にしている木刀が吽慶から借りたものだと知る。

夜、盗まれた二千両が返ってきた松前屋に氷ノ介たちが訪れる。そこに現れる吽慶!親子とは思えない冷たい会話を少し交わし、すぐに刀を抜く氷ノ介。吽慶も不(うてな)で対抗していたところ、光圀公とその手下がやってくる。「なぜ火付けをする?」と光圀公が聞くと、氷ノ介から笑みがスッと消え…火を放って走り去っていった。

光圀公と吽慶が向かい合い、なぜ松前屋に吽慶が来たのかを聞くと……過去のこと、そして自分の息子だということを打ち明ける。9年前、丹波稲川家に仕えていた吽慶。錦組という剣術に長けた集団を作っていたが、気性が荒い当主に悪いように使われてしまい、いつしか殿の狼藉を助けるような存在になってしまった。そのことが、他の藩やもっと上の存在に気付かれてしまい、吽慶は当主に切腹をお願いする。だが、もちろん当主は激昂し……そこに現れたのが当主や錦組に反対する者たち。屋敷内で戦が始まり、その中で当主を見つけた吽慶は自分の手で当主を斬り殺す。この戦いの中で、唯一錦組で生き残ったのが氷ノ介。その氷ノ介は、吽慶の一族のみならず、忠臣たちも皆殺しにする。その後、身を隠していた氷ノ介の元を訪れた吽慶。なぜ、皆殺ししたのかを問うと…母親も兄も、皆成敗したと。徳川の言いなりになって、当主に歯向かった父親(吽慶)が悪いとも言う。主君が道を誤れば正さなければならないと吽慶は言い、主君の寵愛を受けていた氷ノ介なら主君を止められたはずだと責める。が、氷ノ介は猛反発。気に食わないことがあれば首を刎ねられるし、家族のために主君の言いなりになってきたと。お家のためとはいえ、主君に仕えていた息子たち(錦組)を殺そうとした吽慶。家族云々ではなく、全てをお家のために捧ぐのが武士の務め……。刀を向ける吽慶に「父上に私が斬れますでしょうか…」と、氷ノ介も刀を抜く!親子の戦いが始まり、激しく剣と剣がぶつかり合う。氷ノ介が後退した際に躓き、隙ができたその瞬間!吽慶は刀を振り落とし、氷ノ介は絶叫。なんと、右腕を斬り落とされたのだ…!氷ノ介は「許さぬ!!!」と叫びながら、崖下の流れの早い川に飛び込んでいった…。不覚にも殺し損ねた息子が江戸で錦氷ノ介と名乗って生きていると伝え聞いた吽慶は、この手で息子を殺すまでは生きなければとここまできた。氷ノ介によって殺されたたくさんの人を弔うために、仏師となって。そんな吽慶に光圀公は「生きている方が辛かっただろうに、よく死なずに生きてこられた」と言う。氷ノ介を虚な魔物の目の悪党にしてしまったのは自分だから、始末するのは自分だと吽慶は思っているが、光圀公は「親子で殺し合えば、残った方の心も殺される」と言い、だからその役目を私にも背負わせて欲しい、自分が氷ノ介を捕らえると。それを、外で盗み聞きしていた了助。自分が慕っている吽慶の息子が、憎んでいる氷ノ介だと…?

光圀と頼重の兄弟関係、氷ノ介と吽慶の親子関係。今回は放送時間の45分がとても長く感じられる程、濃い内容だった。氷ノ介の過去を知り、徳川を恨む理由がわかってスッキリした。自分を捕まえようとしている集団のトップが徳川家の光圀公だと氷ノ介はわかっているけれど、今後負けを悟った時、どうするつもりなのだろうか。もしかしたら、自ら死を選んでしまうかもしれない…。

次回予告で、氷ノ介が了助に手を出そうとしていた。周りの状況がわからないけど、はたして光圀公は助けに来てくれるのか…?今回暗くて重い話が中心で、心がどんよりしてしまったけど、最後の泰姫のおてんばエピソードを聴いて心が温まった。泰姫ありがとうございます。自分は光圀公に隠すことがないと、ペラペラとエピソードをすました顔で言っていく泰姫。可愛くて優しいけどただそれだけじゃなくて、頼重が見抜いた通り、芯の強さがある素敵な女性。次回の、泰姫と光圀公(や他の人物と)のやりとりも楽しみにしている。